
「フリーソフト」日本国内において,この単語は「無料ソフト」と同義語として用いられる.しかし,決して間違ってはいけない.
「フリーソフト」の「フリー」は,「無償」や「無料」を意味するものではなく,「自由」すなわち「 Freedom 」を意味する「フリー」なのである.
このフリーソフトウェアの思想を全世界に広げたのが,GNU や FSF の産みの親,rmsことリチャード・ストールマンその人である.
本日紹介するのは Debian GNU/Linux.Debian という自由に利用できるユニバーサルオペレーティングシステムの開発を目指すプロジェクトから配布されている GNU 血ををもっとも色濃く受け継いだ Linux ディストリビューションである.
そのあらゆる面で「自由」に重点を置いた開発が,日々ボランティアの手で進められている.
しかし,自由を求めるあまり,FSF ですら敵に回さんというその姿勢は,時に批判の対象ともなっているようだ.
その Debian だが,先日その最新版となる Debian GNU/Linux 3.1 通称 sarge がリリースされたことで大きな話題を呼んだ.前バージョンの woody の登場から約3年,まさに待望のリリースと言ったところだろう.
Debian 最大の特徴は,なんと言ってもその収録パッケージ数の多さにある.
特に sarge になって大きく見直され,強化されたパッケージは,数にして 15,000 種類以上,CD にすればおよそ 14 枚分ともなる膨大な量のものとなった.
また,これらは apt と呼ばれる管理コマンド群で手軽に保守/管理が行える.
Debian ユーザーが他のディストリビューションに移りたがらない一つの理由として,apt と大量のパッケージがあることは間違い無いだろう.
国際化にも積極的に取り組んでおり,数々の言語をインストール直後から手軽に利用することができる.
また,サーバー分野での活躍ぶりにも目を見張るものがある.
その高い安定性と保守性が評価され,数々の個人運営サーバーはもちろんのこと,企業の運営するサーバーにも数多く採用されているようだ(ただし,国内での普及状況は RPM 系 Linux に比べればまだまだだ).
3.0[woody] までは複雑で有名だった Debian のインストール作業も,3.1[sarge] からは Debian インストーラという新技術によってずいぶんと手軽になった.
他の RPM 系ディストリビューションと比較すれば,まだまだ難しいことに変わりは無いのだが,sarge の登場でより身近になったディストリビューションだと考えて間違いないだろう(私は未だに sarge が 4.0 にならなかったことを不思議に感じている).
余談ではあるが,Debian GNU/Linux にはその兄弟とも言える OS で,Hurd と呼ばれるソフトウェアをカーネルに用いた Debian GNU/Hurd と呼ばれるディストリビューションも存在する.
こちらは,カーネルまで GNU プロジェクト製の完全な GNU オペレーティングシステムである.
新しい一歩を踏み出したいと考える RPM 系 Linux ユーザーや,Linux でサーバーを立ち上げたいと強く思う他 OS のユーザー,GNU のフリーソフトウェア思想に強く共感するユーザに,ぜひお薦めしたいディストリビューションである.
関連リンク:
[Debian]
[Debian GNU/Hurd]
[Debian JP Project]
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