2008年05月06日

開かれたSolaris

openSolaris

――つい先日、DistrosDeepで追った以上、こうして紹介しないわけにはいかない。

そんな思いに駆られて、こうして紹介することにした。

本日紹介するのはopenSolaris。
オープンソース化され、コミュニティーが形成され・・・・・・。
そうした動きを経てリリースされた、よりオープンなスタンスを持ったSolarisディストリビューションである。

 

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2008年04月20日

起動のトラブル、即解決。

Super Grub Disk

Linuxだけで全ての作業を完結させることが出来れば理想だが,世の中そううまくは行かない.

そんな理由でLinuxとWindowsという二刀流でPC環境を構築している人も多いことだろう.

そういったユーザーの中で,私のようにcoLinuxをチョイスしたり,別々のマシンに環境を構築している人は稀で, 多くのユーザーがデュアルブートと呼ばれる手法を用いてLinux<->Windows環境を切り替えているはずだ.

しかし,この手法にはいくつかのトラブルが付いて回る.

例えばパーティション設定の不具合によるデータの消失には,誰もが悩まされたことがあるだろう.

そしてもうひとつ,よくある問題がブートローダの不具合だ.

例えばLinuxだけを消去した時,たとえばWindowsをリカバリーしたとき,この問題が表面化する.

本日紹介するのはSuper Grub Disk. 現在多くのディストリビューションがデフォルトのブートローダーとして採用している,Grubのトラブルを解決してくれるディスクである.

 

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2008年03月08日

ちっちゃなSolaris

DamnSmallSolaris

Solarisがオープンソース化されたことによって業界に起きた変化は,これまでのものとは比べ物にならないほど大きいものだった.
例えばZoneという機能.たしかに業界全体は仮想化に関心を持ち始めていたが,SolarisのZone機能こそ, この流れを一気に加速した張本人だと私は考えている.

そして,最近MacOSXでも利用できるようになって話題となったZFS.
これからの時代を担う次世代ファイルシステムとして,この先どんどん普及していくことだろう.
特に,今現在JFSなどの少し古めのエンタープライズ向けファイルシステムを導入している環境では,採用が加速するものと思う.

当然他のシステムでこうしたSolarisの開発によって得られた副産物を利用するのも良いだろうが, 大概そういったことをするよりは,Solarisそのものを導入してしまった方がいいと考えるユーザの方が多いものである.
しかし,困ったことにこのSolaris,配布サイズが大きく, またインストールが現行の著名なLinuxディストリビューションなどに比べると多少難しいという問題がある.

本日紹介するのはMilaX.またの名をDamn Small Solarisという, コンパクトサイズのSolarisディストリビューションである.

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2007年07月16日

業界最高峰の UNIX

AIX
今日は趣向を変えて,オープンソースでない UNIX を紹介したいと思う.
そう,一般に商用 UNIX と呼ばれるものだ.

商用 UNIX は数あれど,どれもよくできた専用ハードウェア上で動作するものが多い.例えば Sun の Solaris は SPARC プロセッサ上で動作する優れた UNIX だ.

Sun は Solaris をオープンソース化することで,新しい道を歩み始めた.
それとは違い,オープンソースコミュニティに歩み寄りながらも,自社の UNIX をオープン化することなく繁栄している企業がある.

本日紹介するのは Advanced Interactive eXecutive.
この長い名称で買い手もわからないかもしれない.略称を AIX という, 青い巨人こと IBM の擁する商用 UNIX である.
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タグ:AIX IBM UNIX
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2007年05月30日

その「Cyg」は、すべてを束ねる

Cygwin
Linux 向けのブルーレイディスク・HD DVD 用ライティングソフトが発売されたらしい.Ubuntu の活躍もあってか,Debian が正式動作環境に入っていたのが驚きだ.

けれども,やはり PC といえば Windows が先行してしまう.
UNIX 使いの方の中にも,どうしても Windows の使用を強要されている方が要ることだろう.
そうなると,選択肢として coLinux が挙がってくるわけだが,Windows との親和性という観点でみるといまいちだ.

本日紹介するのは Cygwin.Windows 上に PC-UNIX 環境を作り出すソフトウェアディストリビューションである.
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タグ:cygwin ETC
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2007年04月21日

多忙につき、しばらく不定期更新になります。

多忙のため、今日からしばらく不定期更新になります。
楽しみにしてくださっているみなさんには申し訳ありません。
出来る限り更新していきますので、ご支援のほどよろしくお願いします。
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2007年03月31日

お父さんのための今週のオープンソース動向

桜も開花し,いよいよ春本番となった.
今週もオープンソース界隈では活発な動きがあったようだ.その中でも注目すべきニュースを以下にまとめてみた.

今週もっとも注目したのは,GPLv3 ドラフト3版の公開だ.当初の予想通り Linux 陣営を中心とする強い反発により,DRM 関連にも手が加えられた形になった.これに対して Linus は,「絶対ダメから懐疑的になった」というコメントを出している.これによって Linux がすぐに GPLv3 の元で配布されるとは言いがたいが,Linus 自身「ありえない話ではない」と言っているだけに今後の動きにも注目したい.事によっては Linux の使い方が従来と多少変ってくるかもしれないからだ.
・GPLv3 ドラフト3版公開

このほか,気になったニュースは以下の通りである.
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2007年03月24日

シャットダウン・デー

※この記事は、23日夜に24日付けで投稿されています。

今日はシャットダウン・デーです。
私も一日コンピュータから離れて生活しています。
そのため、Distro Freak の更新はお休みします。
楽しみにしてくださっているみなさんゴメンナサイ。

今日の私は、次のような行動をとっていることでしょう。
・友人の結婚式に参加
・顕微鏡でペットのアルテミアを観察
・天体観測
・ファインマン物理学を読む
・趣味の工作をする

よろしければ、みなさんも一日コンピュータから離れて生活してみてはいかがでしょうか?
きっと、普段は体験できない楽しい日が待っていることと思いますよ。

関連リンク:
[シャットダウン・デー]

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2007年03月17日

お父さんのための今週のオープンソース動向

今週もオープンソース界隈では様々な動きがあった.その中でも私が特に注目したのは,OpenBSD の安全神話を揺るがす脆弱性発覚のニュースだ.

・OpenBSD に IPv6 に関連した重大な脆弱性

これは IPv6 に関連したリモート脆弱性で,以前 ssh で発覚した脆弱性以来二件目のデフォルト脆弱性となる.OpenBSD のデフォルト脆弱性ゼロ神話も,またリセットされてしまったようだ.しかし,この問題はすでに解決済みであり,最新版にアップデートすることで安全に使うことが出来る.このあたりの対応速度はさすがと言った感じだ.なお,これにあわせて OpenBSD オフィシャルホームページのあおり文句も
Only two remote holes in the default install, in more than 10 years!
(ここ10年、デフォルトインストールで発覚したリモート脆弱性は二個だけ!)
と変更されている.

このほか,今週の出来事で押さえておきたいニュースは次の通りだ.
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2007年03月10日

お父さんのための今週のオープンソース動向

今週もオープンソース界隈では多方面で動きがあった.
そこで,気になったニュースを一緒に追って行きたい.

・GNU Private Guard に脆弱性

未署名のメッセージを挿入される危険性があるとの事.
私もメールはすべてGPGを使って署名しているし、ファイルの暗号化にも重宝している.
利用者は多いだろうから,早めのアップデートをお勧めしたい.
また,メーラなどでは新版へ対応がなされていない場合,一部の機能が利用できないようなので注意されたい.
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2007年03月03日

お父さんのための今週のオープンソース動向

本日も,今週起こったオープンソース界隈のニュースをひとまとめにして紹介する.

-ノートンアンチウィルスが Wiki データをウィルスと誤検知,削除.
オープンソースとは少々関係ないのだが,気になったニュースがこれだ.
今週,こちらの記事にある件とあわせ,ノートンは誤検出が槍玉に上がっている.
当面の対策として,必要な人はノートンを無効にし,オンラインスキャン系のスキャンで対策を採る必要がありそうだ.

また,多くの場合データが消えてから気づくのだが,ウィルス対策系のソフトウェアはその多くが「使用後にデータが損失しても補償しない」旨を利用規約に書いているので,損失に関して訴訟を起こしても無駄な場合が多いのだ.
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2007年02月24日

お父さんのための今週のオープンソース動向

週末はアクセスが低下する傾向にあるようなので,しばらくの間試験的に,いくつかのコンテンツを公開してみることにした.本日は私が個人的に気になったオープンソース界隈のニュースをピックアップしていこうと思う.
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2007年01月12日

モコモコはじまる次世代携帯電話

OpenMoko
Apple の iPhone はあれだけセンセーショナルな発表だったにもかかわらず,現時点で当面展開の見込めない国内ではあまり報道されていないようだ.日経新聞での取り扱いも小さいし,各種ウェブニュースでも IT 系のそれでちょろっと取り上げられた程度.社名を変えるタイミングにあわせて発表したという,Apple の今後への意気込みを感じさせる製品だけに,少々残念に思う.加えてシスコから iPhone の製品名の使用に関して訴訟を起こされるなどされてしまい,発売前から波乱のスタートとなってしまったようである.素直に ApplePhone とか,iCall/iTalk あたりにしておけば無難だったと思うのだが….さてそんな Apple と iPhone だが,実は懸念しなくてはならない材料がもう一つある.本日紹介するのは OpenMoko.正確には Linux ディストリビューションではない.Linux を OS とした,iPhone ライクな携帯電話である.発表に関しては OpenMoko の方が先立ったので,iPhone サイドを OpenMoko ライクなと形容すべきかもしれないが,知名度の関係から iPhone ライクと形容させていただく.さて,この OpneMoko.iPhone との比較表によれば,スペック的にやや劣っていることが分かる.けれども,価格を見れば iPhone に比べて $150 も安いのである程度納得のいく性能なのかもしれない(USB1.1 なのはいただけないが…).画面サイズは 2.8" と小さいものの,640x480 ピクセルの表示が可能など,かなり「がんばった」感のある製品に仕上がっている.そして,DistroFreak として注目していただきたい OS であるが,Linux をベースとしてオープンソースになるとハッキリ書かれている.おそらく OS のアップデート機構なども備えているだろうから,それを利用して他のディストリビューション,あるいはそれを参考に作られた BSD や独自 OS が動き出す環境になるかもしれない.搭載アプリケーションこそかなり少ないものの,Linux を搭載しているという時点でソフトウェア自作派ユーザの囲い込みを狙っていることは明らかだ.iPhone よりも数ヶ月早い,来月登場となる OpenMoko.やはり使用する通信方式の関係から国内での展開は当面見込めそうに無いが,DistroFreak としてココロをくすぐられる携帯電話であることは間違いない.ハードウェアまでオープンになり始めた,その新時代の幕開けを告げる OpenMoko.気になるアナタは秋葉原あたりに出回らないか,こまめにチェックしてみてはいかがだろうか?

関連リンク:
[OpenMoko]
[OpenMoko と iPhone の比較表]
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2007年01月11日

オープンソース,宝の如し.

TheOpenCD
学生にとって,ソフトウェアにかけられる金額というのはかなり限られている.多くの理工系学生は,学部ライセンスや研究室ライセンスといった類のライセンスを利用して学内でソフトウェアのインストールが行えるようだが,そこで用意されていないソフトウェアに関しては別途ライセンスを購入する必要があるのはいうまでもない.そうしたときに,いくらアカデミックライセンスを適用できるとはいえ,高価なソフトウェアを選択しなければならない状況に世の中があるというのは悲しい状況であると思う.しかし,昨今のオープンソースの台頭によって,無償でも"使える"ソフトウェアがかなり増えてきた(Java をはじめとした一連のテクノロジやスクリプト言語はその典型だろう).けれども,そこで新たな問題がおきてくる.数がありすぎて入手が面倒なのだ.Windows で利用できる,いわゆるフリーソフトやシェアウェアといったソフトウェアであれば,Vector などのサイトで列挙されているし,プロプラエタリな商用ソフトウェアであれば,家電量販店のパソコンソフトコーナーへ行けばパッケージが陳列されている.しかし,オープンソースソフトウェアにおいてそれは通用しない.もちろん,それらの情報を集めたサイトはあるだろうが,その多くが当該プロジェクトのページへのリンクにとどまっており,ファイルを直接ダウンロードさせるところまではいかない.なにより,ネットワークが繋がっていなければ利用できない……つまり知人に勧めづらいというのは致命的だ.本日紹介するのは TheOpenCD.オープンソースソフトウェアを詰め込んだ宝ばこ的なソフトウェアパッケージである.DistroFreak であるのに,こうしたパッケージが登場するのはおかしく感じられるかもしれないが,DistroWatch にも登録候補として列挙されていたので,こちらでも紹介することにした.OpenCD は,ともすると Live-CD であるかのように聞こえるが,その実態は Windows 上で実行可能なランチャを備えた CD パッケージである.含まれるソフトは Firefox,Thunderbird,Gaim,OpenOffice.org,GIMP などの定番ソフトから TuxPaint,Notepad2 といった聞きなれないソフトまで幅広い.そのほとんどに Description ――すなわち解説やスクリーンショットが付属する.OpenCD のうれしいところは,さらにこの画面からクリック一つでインストーラを起動できることだろう.いちいちサイトを巡り歩かなくとも,おもしろそうだと思ったソフトをその場で導入できる手軽さは apt に似ているかもしれない――違いはネットワークを使うか否かといったところだろうか.必要ならば GPL やクリエイティブコモンズといった各種のライセンスにも簡単にアクセスできるので,ソフトの活用法に関して疑問点があればそちらを参照していただきたい.友人に勧める際に,この一枚を渡せば事済む OpenCD.オープンソース布教のために活用してみてはいかがだろうか?

関連リンク:
[TheOpenCD]
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2007年01月09日

あなたに最適なディストリビューションを選ぼう

何のディストリビューションを選んだらよいか?これは,Linux をはじめようと思っている多くの人が,最初に直面する問題だろう.そこで本日は,いつものディストリビューション紹介からいったん離れて,用途に応じてどのディストリビューションを選択するのが良いかを検討してみることにする.はじめに断っておくが,「このディストリビューションが好きだ」という以上に他のディストリビューションを選択する必要は無いと私は思う(業務レベルになると別かもしれないが)ので,あくまでここで紹介していることは私の主観にすぎない.また,Linux だけではなく,他の PC-UNIX ディストリビューションも含めて紹介している.今年から Linux や PC-UNIX に挑戦しようとしている方は,参考にしていただけたらと思う.ディストリビューションを選ぶにあたりまず検討しなければならないこと,それは「何に使うか?」である.別の言い方をすれば,使う目的ともいえるだろう.数学も,物理学も,プログラミングも――そして OS も――何に使うのか,その目的がハッキリしなければ,どんなに優れたものを学ぶあるいは使っても無意味であるし,使う気も起きないことだろう.そこで重要なのが目的なのである.おおよそ目的がハッキリしてれば,選択するディストリビューションの幅はぐっと狭まってくる.サーバソフトウェアの学習に使いたいのかゲームをするために使いたいのかでは,OS 側に要求する機能も違ってくるだろうし,それが業務で使うのか個人で使うのかによっても,要求するもの(あるいは要求する部分)が違ってくるだろうと思う.ここで注意したいのが一見似たような用途に感じても,その実まったく違うものである場合だろう.具体例を挙げるなら,ウェブサーバの学習に使うのか,ウェブサーバの運用を行うのかといった場合だ.これらは一見同じ場合に思えるが,学習用途で使うのと本格的に運用するのとの違いは,実際の業務を見ていただければ一目瞭然だろう.学習ならば単純で本質を学べるものを選択するべきだし,運用するならば多少複雑あるいは使いにくくとも,安定性のあるものを選ぶべきだろう.そういったことから,まずはあなたが PC-UNIX をどんな用途に使うのかを決めていただきたい.ここでは例として五つのグループに大別した.学習する場合にオススメなものには,(s)のマークを付与してある.大別した結果は以下の通りだ.

サーバ
openSolaris
CentOS
Debian GNU/Linux (s)
Red Hat Enterprise Linux
SUSE Enterprise
openSUSE (s)
FreeBSD (s)
OpenBSD

開発
Debian GNU/Linux (s)
Gentoo
Sabayon
Fedora Core
Vine (s)
Vector
Slackware
NetBSD
OpenBSD

デスクトップ
Ubuntu【Ubuntu ファミリ含む】(s)
Vine (s)
openSUSE (s)
Fedora Core
Knoppix (s)
SLAX
Yellow Dog (s)
PCLinuxOS
Mandriva
Pioneer
Xandros
Debian GNU/Linux
Zenwalk
PC-BSD

マルチメディア制作
openSUSE (s)
Dreamlinux
Kubuntu
Mandriva
Pioneer
Xandros
Yellow Dog
Musix
Movix

モバイルデスクトップ(持ち運ぶ)
Puppy
Damn Small
Minimax

これらのディストリビューションの並び方に特に意味はないが,その用途においてもっともオススメするディストリビューションが先頭にくるようになっている(2番目以降の並びは適当である).またこの他にも,まだまだ紹介しきれないディストリビューションがあるのだが,とりあえずはここでとめておきたい.この大別した目的の次に選ぶ必要があるのは,ハードウェアが対応しているかどうか?である.特にデスクトップ用途で無線 LAN を利用したい場合,あるいはマルチメディア用途でグラフィックボードのパワーを引き出したい場合,ハードウェアへの対応は重要な問題となってくる.導入前,最後に確認するのが安定性である.すなわち,「そのディストリビューションは想定している活用に耐えられるか?」という問題だ.Fedora が不安定であるのはもはや有名な話で,業務に使うなら古いバージョンを選択する方が良いなどとまで言われるほどだ.またGentoo など,比較的新しいバージョンのソフトも Stable に落ちてくるようなディストリビューション,あるいは Ubuntu のようにリリースサイクルの短いディストリビューションについても,安定性やバージョンアップの危険性(それに伴うセキュリティとの妥協点)を考えた上で,安定性を考慮して欲しいと思う.ここまで検討したうえで,私が五つの各分野になぜそのディストリビューションを推薦したか,その理由を挙げておこうと思う.まずサーバ用途で推薦した openSolaris だが,その比類なき安定性への異論はあるまい.リリースサイクルの長さ,またサポート期間の長さ,これまで Sun という巨大企業がサーバ市場向け OS として長年提供し続けてきた背景を考えれば,サーバ OS としてこれ以上のディストリビューションは他に無いと思われる.Java との親和性もよく,ソフトウェアの管理も手軽だ.また稼働率の高さは業界でも屈指で,データベースサーバを運用する場合になどは openSolaris の真価が発揮されるだろう.次に開発用途に推薦した Debian GNU/Linux だが,なによりその安定性と優れたパッケージ管理システム,世界中の開発者によって日夜補完されている apt リポジトリの数は,他のディストリビューションではとてもまねできないものだろう.開発環境を手軽にそろえるうえで,これ以上のディストリビューションは無いと思われる.パッケージも Stable / Unstable / Testing の3段階で分かりやすく分けられており,自分の好みに合ったものをチョイスできる点も魅力的だ.世界の開発者の中に Debian ユーザが多いことも,今回開発用途 No.1 として推薦した理由でもある.さて,デスクトップ用途に推薦したディストリビューションに関しては,もはやその理由を述べるまでもないだろう.Ubuntu ならば,ハードウェアをえり好みすることもないし,国際化もきちんとなされている.デスクトップ Linux として,かなり完成されているものであることは言うまでも無い.続いてマルチメディア制作だが,ここに SUSE がいることは意外に思われるかもしれない.しかし,ハードウェアをえり好みしない環境をもち,強力な管理ツールが付属し,マルチメディア制作ソフトウェアで使われることの多い KDE(あるいは Qt)を標準で提供するのは,SUSE を置いて他に無いと感じたから,マルチメディア制作環境として最適だと考えた.マルチメディア制作環境で特に力を発揮するだろう LVM を標準でサポートしている点も重要なポイントだろう.また大容量ファイルに対応したファイルシステムが手軽に扱えることも,マルチメディア制作分野で活動されたことのある方ならば分かっていただける理由だろうと思う.最後になったモバイルだが,ここは Linux でも現在発展途上の分野であり,もはや個人の好みという意外に選択の理由はないと思う.それでも Puppy を真っ先に挙げたのは,クセの少ないディストリビューションだからだ.……さて,本日は趣向を変えて「ディストリビューションを選ぶ」ことを主題に書いてみた.少しでも皆さんの参考になれば幸いである.また今回名前の挙がったディストリビューションはすべて過去の記事で紹介しているので,そちらも参照していただけたらと思う.それでは,Happy Linux Life!
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2006年04月01日

あんなこといいな,できたらいいな.

WaBI
4 月になってしまった.この春から大学などで新生活を始める方も多いのではないだろうか?また春からは卒業研究にいそしむという大学生もいるかもしれない.特に理系大学でがんばっている人にとって,果たして Windows で論文を書くというのは正解なのだろうか?本日紹介するのは WaBI.日本の大学や研究機関が共同で製作している OpenBSD ベースの BSD ディストリビューションである.WaBI のコンセプトは"日本で使いやすい BSD"であり,OpenBSD 由来のセキュアな面はそのままに,国内での利用,特に学術研究機関で利用しやすいようさまざまな工夫がなされている.WaBI にはいくつかの特徴があり,その最たるものが 日本語 IME「ジパング(Zipang)」だろう.Zipang は Anthy をベースに変換効率の向上を目指して実装がなされており,特に論文を書きやすいよう配慮されてカスタマイズがなされている.MS-IME や ATOK のようにカタカナ言葉→英語スペルへの変換や郵便番号変換,uim,SCIM との連携など,必要といわれる機能のほとんどが実装されている.Canna と Wnn の辞書をコンバートするためのスクリプトも提供されているので,現在 Cannna や Wnn を利用している方も容易に移行できる.次に注目すべきは SUSE の YaST ライクな管理ツール WaSaBI である.これは デーモンの管理,パッケージの管理,ブートローダの設定変更などが一元的に同一のインタフェイスで行えるツールであるが,YaST が Paython で拡張できるように,Ruby で拡張できるよう作られている.このあたりがなんとも国産ディストリビューションらしい作りである.CUI でも同等のインタフェイスを提供してくれるあたりが,YaST を強く意識して作られたことを感じさせる.バンドルされているソフトウェアも,OpenOffice や GIMP などの定番ソフトはもちろんのこと,Emacs や LaTeX,OpenSSH,R 言語処理系 といったソフトが名を連ねており,学術機関向けディストリビューションならではといった雰囲気を感じさせる.クラスタリングソフトウェアも搭載されているため,手軽にクラスタシステムを作るための OS としても利用価値が高そうである.また,起動速度の速さにも注目すべきものがあり,MacOS X の launchd に似た起動プロセスをとる wabinitd により一分以内での起動を実現している.インストーラもテキストベースながら Debian Installer ライクな手軽なものが搭載されており,それも細部まできちんと日本語化されているのが嬉しい.x86 と x86_64 向けに提供されているものの,無線 LAN や最新のグラフィックボードなど対応ハードが少ないことが弱点であるが,それでも十分に利用価値のあるディストリビューション,あなたのパソコンにも,ぜひ導入してみてはいかがだろうか?

関連リンク:
[WaBI]

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2006年03月03日

たまには,息抜きでも.

JNODE
ひな祭りだというのに,コーヒーメーカーが壊れた.コーヒーを溜めるポット部分を,洗っている最中に誤って落とし,割ってしまったのだ.一般の家庭でどうかは知らないが,まるで水のようにコーヒーを飲む私としては,これは死活問題である.早速近所の某電気量販店に買いものに出かけた.久しぶりに家電を買うので,どこに置いてあるか皆目検討も付かない.とりあえず冷蔵庫などが販売されている売り場に行ってみると,運良くそこに置いてあった.さっそくどれにするか選ぶが,価格も性能もピンからキリまであり,人気商品だからといって安易に購入するのも賢くない気がした.そこでいつも PC ショップでやるように店員さんを呼び,心行くまで解説してもらったあと,売上げランク第 3 位だという象印マホービンのコーヒーメーカーを購入してきた.なかなか使い心地も良く,これまで使っていた物より早くコーヒーができあがるので,大変良い買いものだったと思っている(ポイントも貯ったし).さて,コーヒーを飲みながら PC に向かって楽しむことといえば,間違いなく Java プログラミングだろう.Java の半分はコーヒーで出来ているという事実は,もはや周知のことである.と,冗談はさておき,最近の Java 言語の台頭は目をみはるものがある.特にサーバサイドで使われる言語としては,驚くほどに普及しており,私の元にも Java の講習依頼がいくつか入ってきている(全てお断りしているので,現場でどうなっているかは感知していないが).このように広く普及した Java が未だ征服できないでいる分野といえば,デスクトップアプリケーション市場だろう.確かに,VM のインストールや jar ファイルをどう実行させるかなど,一般ユーザにとってはまだまだ利用しづらい環境にあることは間違いない.では,そんな環境に一風変わったアプローチで仕掛けてみるのはどうだろうか.本日紹介するのは JNode.このサイトの趣旨とは異なり,PC-UNIX 系 OS ではないのだが,今後注目したいオープンソース OS として紹介したいと思う.この JNode,驚くべき事に OS そのものの記述に Java を利用しているのである.詳しく言えば,C/C++ は一切使われておらず,Java と若干のアセンブラによって構成されている.もちろん,VM 上で動くのでは無く,ネイティブ稼働なため,100% Pure Java では無いのだが,非常に面白いアプローチだといえる.最近の OS に負けず劣らず,きちんと GUI も提供しており,テトリスライクなゲームが実際に稼働しているところをその目で見ることができるだろう.私の手元では,実機へのインストールは問題があり,VMWare 上での稼働のみの確認となったが,動作もなかなか軽快で,Java の可搬性を見せつけられた気がした.こうして Java が OS の記述にまで使われ,それが高い汎用性を持っているということが示されれば,UNIX で C が普及したように,Java もサーバサイドだけでは無く,デスクトップアプリケーション記述にも用いられるようになるのではないかと思われる.また,ネイティブなコードを吐き出すために,GNU Class Path という,GNU 謹製 Java クラスライブラリを利用しており,これまで GNU Class Path に対して抱いていたオープンソースの未完成クラスライブラリという印象を打ち壊されてしまった.正直,ここまで完成度が高まっているとは思わなかった.今は勉強不足であったと深く反省させられている.JNode によって,GNU Class Path の高い実用性も示された,これから JNode には,GNU Class Path の切り込み隊長としての活躍にも期待したい.他のオープンソース OS と比較しても,まだまだ機能は貧弱で,実用レベルに達してるとはいえないが,Java で書かれているという事実と驚き,またその可能性と面白さから,サイト趣旨とは若干違うものの紹介してみた.たまには息抜き代りにこういう記事も良いのでは無いかと思っている.Java で記述された不思議な OS,コーヒーブレイクのお供として,さっと走らせて,さくっと楽しんでいただきたいと思う.

関連リンク:
[JNode]
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2006年02月11日

眠れる獅子

Hurd
GNU システムというと,みなさん何を思い浮かべるだろうか?おそらく多くの方が思い浮かべる GNU システムは,現在の Linux であると思われる.それほど Linux の功績は大きく,フリーソフトという概念や精神を(一般が満足するレベルで)浸透させた立役者とも言えるだろう.しかし,一般が満足しないレベルでのフリーソフトの精神に関してはどうだろうか?先日のニュースにもあったとおり,ストールマン氏とリーナス氏の考え方には,少なからず差があるようで,このまま「Linux = GNU システム」という形で突き進むわけにもいかなくなってしまいそうである.実際,GNU サイドは Linux を GNU/Linux と呼称するのに対し,カーネル開発側は Linux はあくまで Linux であるという姿勢を崩していない.では,この問題はこのまま平行線を辿るのだろうか?いや.ちょっと待っていただきたい.何かお忘れではないだろうか?GPL もバージョン 3 を迎えようとしている現在もなお,「開発中」の札がかかりっぱなしの GNU の中核をなすソフトウェアがある.そう,GNU/Hurd.本家本元の GNU システムにおいて,カーネルを担うとされているソフトウェアである.昨今のオープンソース旋風のなかにありながらも,開発はゆっくりとしたペースで、着実に行われている.牛どころか,亀の歩みの如しとも例えられるほどその開発速度は遅いものの,現時点でリリースされている開発中のソフトウェアからは「良いものを作ろう」という精神がひしひしと感じられる.Hurd は Mach をベースとして作られており,Linux とはまたひとあじもふたあじも違った一面を見せてくれる.寡黙に動きつづけるその姿は,まさに初期の UNIX を彷彿とさせてくれるだろう.現在は開発に参加したいフリーソフトを愛する一般人や C ハッカーの楽しみ的存在として利用されているだけだが,近い将来リリースされたあかつきには,大きな旋風を業界内外に巻き起こしてくれることは間違いない.もしかしたら,皆が油断している間に突然目覚めてフリーソフト業界を席巻するかもしれない.GNU の中心にありながらも未だ眠りつづける Hurd.C の腕前に自身のある方や,フリーソフトを愛してやまないあなたに,ぜひ育てていただきたいシステムである.なお,オフィシャルプロジェクトページからはソースのダウンロードしかできないが,Hurd-JP のページから ISO イメージをダウンロードすることができる.興味のあるかたはまずはそちらを使っていただいて,Hurd 自身を見ていただきたいと思う.

関連リンク:
[GNU Hurd]
[Debian GNU/Hurd]
[Hurd-JP]
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2006年02月10日

カモノハシとヌーの不思議な出会い.

GNU-Darwin
Core Duo が熱を帯びてきた.私の回りでも利用者が増加しており,先日の Xen3.0 からによるレポートも,実は友人の Core Duo マシンを利用させてもらったという経緯がある.と,同時に Intel Mac がアツイ.個人的にはまだ「買い」ではないと判断している製品だが,Core Duo マシンと同じく周囲では手に入れて動作させる人がちゃくちゃくと増加している.確かに,あの CM を見たら欲しくもなるだろう.スペック面でも申し分ないし,ノート製品まで用意されているとなればなおさらである.さて,みなさんは以前に紹介した Darwin という OS を覚えておられるだろうか?そう,MacOS X のベースとなっている,強力な OS のことである(くわしくは以前の紹介記事を参照していただきたい).実はここ最近,ひそかにこの Darwin ベースのディストリビューションがアツイのである.本日紹介するのは GNU-Darwin.Darwin カーネルに GNU 謹製ソフトをはじめオープンソースソフトを多数バンドルした Darwin ディストリビューションである.公式サイトに掲載されている CD レーベルの愛らしさに惹かれてダウンロードして,早速使ってみた.まだデスクトップ向けと大々的に宣伝できるほどの出来ではないが,GNOME による快適な GUI 環境が提供され,その上で稼働する X-Chat などのコミュニケーションソフト,FireFox に代表される軽量なブラウザソフトを利用することが出来る.このことから,「インターネットする」という表現に当てはまるもろもろの活動を行うことは可能であると判断できる.安定性もなかなかのもので,使用した限りでは不安定になったり突然落ちることもなかった.多数のアーキテクチャに向けてリリースされていることや,オフィスソフトがきちんと用意されていること,懐かしの NeXTSTEP を思わせるデスクトップ環境を利用することができるなど,マニアを唸らせる要素は多いだろう.現時点では Darwin そのものがサポートしているハードの数が少ないことや,日本語の利用において不便な点が多数見受けられるところが残念ではあったが,下手な Linux ディストリビューションよりしっかりとしたその作りには驚かされてしまった.今新たなブームを呼ぼうとしている Darwin ディストリビューション.Solaris のように華麗に花咲くことが出来るのだろうか?これからが非常に楽しみである.

関連リンク:
[GNU-Darwin]
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2006年01月11日

I'm ハイブリット

MkLinux
ついに Intel Mac がその全貌を表した.
gotolabel デュアルコアプロセッサを搭載したハイエンドなノート PC モデルを中心に,新しい iMac なども公表された.Darwin の成功によって MacOS X は Intel 系 CPU においても快適に動作する時代になったのである.これを踏まえ,Mac の過去を見てみると,あるところに面白い功績が転がっているのである.本日紹介するのは MkLinux.MacOS X の中心部にも使われているマイクロカーネル技術,Mach をベースに Linux の成果も積極的に採り入れた結果生まれた,ハイブリットディストリビューションである.世間では実験型 OS X とも評され,高い安定性と,独自性の高いロジックが評価されている.もともとは Apple を中心としたプロプラエタリなプロジェクトだったが,現在は Apple が開発から手を引いたため,オープンソースで開発が進められている.MkLinux はその名称からも誤解されやすいのだが,Linux をカーネルに用いた純粋な Linux ディストリビューションでは無い.あくまでカーネルはマイクロカーネルである Mach であって,Linux カーネルは OS サーバとして実装されているという面白い機構をもっている.つまり,Linux のサービスへリクエストを出しながら処理を進めるという,Canna などの日本語 IME や X サーバに近い C/S 構造をもった実装なのである.PPC プラットフォームとの親和性が非常に高く,他の PPC ディストリビューションが動作しない PPC 環境でも動作する可能性が高い.起動もスピーディーでシステム自体もコンパクトと,現在の OS X を思わせるような設計思想が随所に散りばめられている.Mac 愛好家達へ,古くなった G シリーズ復活のチャンスかもしれない.ぜひとも一度触っていただきたいと思う.

関連リンク:
[MkLinux]
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2005年12月16日

次世代プラン

Plan9
昨日に続いて,本日もいつもとは違った趣向のディストリビューション…いや,UNIX ライクな次世代 OS のご紹介である.開発元はベル研こと AT&T ベル研究所.電話の発明で著名なベル博士の名を関したアメリカにある研究所で,本家 UNIX の生まれ故郷でもある.近年の急速なコンピュータの進化により,当時の UNIX 開発チームは UNIX の限界を感じ始めていた.まるで Linux が革命児とでも言わんばかりの世間の風潮とは違った,事の真髄を突いた着眼点である.UNIX の限界,それは現在進行しているコンピュータの利用形態である分散形態に,UNIX が追いつけていないという現実だった.「ネットワークには多数の UNIX ワークステーションが繋がっているが,ばらばらに管理され,管理者の私的な好みによってソフトウェアがインストールされ,その結果ワークステーションは事実上特定のユーザによって私物化されている.かっての UNIX はどの端末にも等しいサービスを行い,ユーザがどの端末から利用しても自分の構築した環境の下で作業できた.この良い面がワークステーションによる分散環境の中で消失している.」との観点の元,かっての UNIX のような,均一で集中化された,しかもユーザの好みの環境を柔軟に構成できるオペレーティングシステムが必要であるとの結論に達した.そうして誕生したのが,本日紹介する Plan9 オペレーティングシステムである.まだ研究段階にある OS だが,趣味で使う分には十分安定しているといえる.もちろん x86 アーキテクチャで動作するので VMware Player などを用いた利用も可能である.Plan9 の特徴は高度な統合性とセキュリティにある.またバックアップシステムなども新たに開発/搭載され,より安心して使えるシステムとして提供できるようになっている.まさに最近流行している Active Directory や LDAP 統合認証しシステムの一歩先をいく,次世代のシステムといえるだろう.愛知大学によって日本語解説ページも用意されているため,下手な Linux ディストリビューションより日本語情報は充実しているといえるだろう.新たな時代を築く新たなプラン.ぜひ試していただきたいと思う.

関連リンク:
[Plan9]
[Plan9(愛知大学)]
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2005年12月15日

歴史の分岐点

Minix
Linux はスクラッチから書き起こされた PC-UNIX 互換 OS であることは周知の事実だ.BSD や Solaris などのようにオリジナル UNIX のソースは一部も使われていない.しかし, Linus 氏自身が認めているとおり,その設計に大きく影響を与えた OS がある.それは UNIX 登場以後に教育用として開発され,数多くの計算機科学を学ぶ学生に大きな影響を与えた.また教育用として開発されているため標準の UNIX のソースコードよりはるかに理解しやすく,計算機科学を学ぶ学生にとって OS のなんたるかを学ぶ恰好の教材となったのである.本日紹介するのは Minix.先に述べたとおり,教育用として Andy 教授の手によって開発された.マイクロカーネルを用いた設計をしており,標準の UNIX とは(もちろん Linux とも)違った構造になっている.この Minix,現在でこそ BSD ライセンスで提供されているが,その当時は再配布や再利用がしづらい,いわゆるフリーでないソフトウェアとして提供されていた.そのためより自由に利用できる,「Minix より優れた Minix を作り出す」ため,青年 Linus の長い長い旅が始まったのである.そのストリームは世界中のハッカーを巻き込み,今や青い巨人を倒し,業界の覇者となった Windows の最も恐れる流れにおいて主導権を握る立場にある.では,もし Minix がこのときから現在のように自由に利用できるライセンスで提供されていたらどうだっただろうか?おそらく Linux は存在せず,現在の Linux のように(もしかしたらそれ以上に)強力で広く普及した OS になっていたのかもしれない.ようやくそのことに気づいたのか,Minix サイドもバージョン 3 より BSD ライセンスを採用したオープンソースなマイクロカーネル OS として再出発を果たした.x86 アーキテクチャにも対応し,より広範囲で利用できる下地作りが始まったと言えるだろう.すぐに利用できる ISO イメージも公開されているため,VMware Player などで手軽に利用することができる.現在の Minix はとても教育用と思えるソースコードの作りではないが,マイクロカーネルというその特徴と,Linux に比べ非常にコンパクトな作りであることから,これから OS を作りたいと考えているハッカーの卵たちにも優れた教材となることだろう.大きな流れになり損ねた Minix だが,これを足がかりにより大きなストリームを作り出す OS をぜひ作り出していただきたいと思う.

関連リンク:
[Minix 3]
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2005年12月14日

コンパクトSolaris

SchilliX
Solaris のオープン化以来,オープンソース OS 事情も日に日に活発さを増している.これまでディストリビューションと言えば Linux と BSD であったが,最近では Solaris 関連のディストリビューションも増加し,すでに第 3 の勢力として十分な地位を確立したと言って間違いないだろう.サーバ用途はもちろんのこと,コンパクトで美しくまとまった JDS のおかげでデスクトップシステムとしてのニーズも高まりつつある.本日紹介するのは SchilliX.Live-CD タイプの Solaris ディストリビューションである.Live-CD なので手軽に利用できる上,Solaris の Solaris たる世界を十二分に楽しむことができる.x86_64 環境にも対応しており,サーバとして運用するのにも耐えられる品質を提供してくれる.SchilliX 最大の特徴は,HDD だけでなく USB メモリにインストールすることもできるということである.つまり,コンパクトなシステムとしてSolaris を持ち歩くことができる.また SchilliX はワイヤレス LAN への強化が成されているため,ノート PC 環境でも非常に使いやすい.HDD などへインストールする場合にも,UFS という強力なジャーナリングファイルシステムを提供してくれるので,安定していて堅牢な環境を手軽に使うことができる.インストールなどはやや難しく,古株の UNIX ユーザ向けといった感じだろうか.わたしもインストールで多々つまずいてしまった.ただ,必要なパッケージを自分で選びながらちょこちょこシステムを構築していくそのさまは,LFS にも似た楽しさを覚えた.古き良き UNIX を愛し,昨今の巨大なシステムに嫌気の指しているユーザへ.ぜひともおすすめしたい Solaris ディストリビューションである.

関連リンク:
[SchilliX]
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2005年11月23日

太陽より高い位置で.

Nexenta
以前にこのサイトでGing そして Darwin という,2 種類のハイブリットカーネルディストリビューションを紹介してきた.どちらとも非常に優れたソフトウェアで,ハイブリットであることの優位性を十二分に感じてもらえたのではないかと思っている.本日紹介するのは Nexenta OS.名称からも,ロゴイメージからも実態を理解するのは難しいと思われるが,別名を聞けばビビッとくるだろう.Nexenta の別名は GNU Solaris.そう,Debian GNUOpen Solaris とのハイブリット OS なのである.以前に紹介した 2 つの OS のようにハイブリットカーネルとまではいかないが,ハイブリットディストリビューションとでも言うべき形態をとっている OS だと言えよう.以前にも書いた通り,Solaris は本物の UNIX OS だ.対して Debian は,今やひとつの思想とも言えるような巨大な影響力をもつ,フリーソフトウェア運動のシンボル的プロジェクトとなっている.この二つがうまい具合に融合した時,優れたソフトウェアになることは想像に難くない.Solaris の堅牢さに GNU ソフトウェアの柔軟が加わった Nexenta.うまく進化すれば,Solaris が第3の勢力となる際の重要な位置を占めるのではないだろうかと思っている.Nexenta の動作する様子は,GNOME による GUI を立ち上げてしまえば Linux のそれと大差なく,日常業務に使う上では大きな問題はないだろう.また驚くべき事に,パッケージ管理システムとして deb および apt を提供してくれるので,Solaris の堅牢さは欲しいが,Linux の手軽さを捨てるわけには…というユーザにも強くお薦めできる.gcc こそ最新の 4.x 系が提供されているが,glibc が付属していないため,ソースがあっても手軽にインストールできるというわけにはいかなそうである(事実,手元ではいくつかのソフトウェアがインストールできなかった).インストールディスクは Solaris などと CD 違い一枚に収まるうえ,Live-CD 版も用意されているので,手軽さの点でも大きく勝っているだろう.パッケージの追加に関する問題さえ解決すれば,これから先,大きく躍進しそうなディストリビューションである.Solaris の JavaDesktop に泣いたあなたも,ぜひ Nexenta で Solaris を体感していただきたい.

関連リンク:
[Nexenta]

【追記:11/25】ココサブ氏の指摘により,当該箇所を修正&ライブ CD の情報を付加。
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2005年10月30日

Solaris を,ライブで.

BeleniX
わたしはディストリビューションフリークとして,「いつ来るか,いつ来るか」と楽しみにしていた.そして今日,その出会いがやってきてくれたのである.まだまだ未完成部分が多く,実用レベルではないと感じているが,この感動はなにものにも代えられない.ひさしぶりに体験したワクワクする感動である.アイコンを見て気づいたかたもいるだろうか?そう,本日紹介するのは BeleniX.openSolaris ベースの Live-CD ディストリビューションである.Solaris がオープンソースになった時から,この予感はしていた.もっと言えば,今後さらにマニアックな Solaris ディストリビューションとも言うべき製品が増えてくるのだと思う.これがワクワクせずに居られるだろうか?ディスロフリークとして,待に待った瞬間なのである.さて,その BeleniX であるが,なにより嬉しいのはシステムを Live-CD で試せるという点である.さらにハードディスクへのインストール機構も準備されているため,気に入れば即環境を構築することができる.デスクトップ環境には重たい JavaDesktop ではなく,XFce を採用しており,X.org と連携して動作している.Gaim や Xmms など,かなり家庭用を意識して作られていることが感じられる.さしずめ,Solaris ホームエディションとでもいったところだろうか.もちろん Solaris 派生なので UFS ジャーナリングファイルシステムにも対応しており,サーバ用途での運用も可能である.firefox や thunderbird は 1.5β を採用しており,先進的な環境を手軽に利用するための手段として利用できるだろう.CUPS 印刷システムも搭載しているため,家庭用としては十分な機能をはたしてくれる事とおもう.CD ブート機構に関しては Knoppix のそれを大いに参考にしているらしく,起動まではほぼ自動でやってくれる点も嬉しい限りだ.Solaris の導入を悩んでいたり,手元の環境ではいまいち満足しきれないディストロフリークに,ぜひお薦めしたい一品である.

関連リンク:
[BeleniX]
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2005年10月17日

Who are you?

Darwin
XNU という言葉をご存知だろうか? "XNU is Not UNIX" の略称で,MacOS の中核を成す UNIX 互換 OS のことである.フリーソフト運動で著明な GNU も "GNU is Not UNIX" と呼ばれ,UNIX 互換 OS の開発を目指していることがわかる.しかし,本日焦点を当てるのは GNU ではない, XNU である.さてこの XNU,Mach 3.0 と FreeBSD のカーネルコードをミックスしたハイブリッドカーネルを指す.Mach と言えばワークステーションの先駆け,NeXT STEP のコアとして採用されたマイクロカーネルで,タスクやスレッドの概念が既成の OS とは異なった構成をしており,並行分散環境で強力なパワーを発揮することで有名である.…はて?どこかで聞いた話だ.PC 事情に詳しい人ならそう思った事だろう.そう,あなたの直感は正しい.本日紹介するのは Darwin.MacOS X のコアとして採用された,BSD ベースのオペレーティングシステムである.カテゴリをわざわざ etc にしてあるのは,ハイブリットカーネルを採用したため,純粋な BSD ではないという意見があるからだ.個人的な見解ではあるが,Darwin 上では BSD よりも Mach 色の方が強く出ているように感じた(そうは感じたものの,中身では Mach 特有のマイクロカーネル構造は採用していないと言うのだから驚きだ).そんなこともあり,カテゴリを etc とさせてもらったのである.さて,本題に入ろう.Darwin は MacOS X のコアであるため,有償なものだと勘違いしている人がかなり多い.しかし,これもきちんとライセンス(APSL:Apple Public Source License)にしたがって配布されているオープンソースソフトウェアなのである.MacOS X は,これに美麗なデスクトップ環境とその他 Mac 特有の環境を被せたものだと理解すると分かり易いだろう.実際には Cocoa API などがその最たる例である.Darwin は APSL にさえ従えば自由に改編,再配布ができるので,Darwin 自体は PowerPC だけでなく,Intel x86 アーキテクチャ及び AMD などその互換アーキテクチャ向けにもリリースされている.おそらく,この度 Apple が Intel ベース PC への完全移行に踏み切った事の背景に,少なからずこの成果が関わっていることだろう.今回はこの x86 版を,いつもどおり QEMU で動かした.起動すると他の BSD と同じく C 系シェルが起動し,真っ黒な画面と共に出迎えてくれる.uname としたときに BSD と返してくるあたりが愛らしい.現状 Darwin だから出来ることは数少なく,むしろ目に見えてサポートハードウェアが少ないなどの欠点が目立つが,構成が小さい事やオープンソースであること,商用ベースにも載る強力な OS であることを考慮すれば,Linux のそれよりも OS の何たるかを学ぶのに適しているように感じる.もしもこれから独自の OS を開発してみたいと考えている方がいるならば,この強力な OS の中身を覗いてみてはいかがだろうか?Linux や 他の BSD とは違う,新たな境地がそこにあるはずである.

関連リンク:
[Apple の Darwin ページ]
[Open Darwin]
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2005年09月16日

Linux,BSD に続く第3の波

OpenSolaris

Sun Micro Systems といえば,いまや Java の開発によってデベロッパであれば知らない人は居ないほどの企業となった.Sun には,もう一つ有名なものがある.企業分野で提供されている商用 UNIX オペレーティングシステム「Solaris」である.普通に購入すれば,ハードウェア込みで数百万,いや数千万はくだらない代物である.その Solaris が,先日ついにオープンソース化された.本日紹介するのは Open Solaris.Java Desktop という超美麗なデスクトップを搭載した,Linux,BSD に続くオープンソース OS 第3の波ともいうべき PC-UNIX である.紆余曲折あり,ライセンスこそ独自のものを使っているが,れっきとしたオープンソース OS であることは間違いない.元が Sun の製品だけあり,随所に Java が使われている上,他ディストリビューションで当たり前のように利用できる GCC をはじめとした GNU ソフトウェア群の動きがイマイチ怪しかったりと,これからオープンソース分野で成長する余地はまだまだある.たとえそのようにオープンソース OS としては未完のものだとしても,商用 UNIX として培ってきた信頼性と安定性,そして他の追随を許さない堅牢性はインストールするだけの価値がある.多言語化も積極的に行われており,デフォルトで日本語を使用することも可能になっている.対応ハードウェアこそ少ないが,極端に古いハードウェア上でしか動作しないわけではなく,1年程度前のものであればほとんど動作するということだ(CPU エミューレータ上で検証を行ったので,ハードウェア構成に関しては汎用的なものしか確認できていない).なにより Java Desktop を利用しようとした場合,相応のスペックが必要なので一概に「ある程度の古さ=動く」だから「良い」とは言えないようである.Open Solaris での成果は本家 Solaris に取り入れられ,製品として発売される.ちょうど Star Suite と Open Office のような関係になるだろう.また,ライセンスにさえ引っかからなければ Solaris ベースの新しいディストリビューションを作り出すことも可能である.お手元の環境に不満を抱き,ホンモノの UNIX を使いたいとお思いの方,また超美麗な Java Desktop に憧れを感じる方,またオープンソースに興味のある全ての方に使っていただきたい.そう思わせる OS である.ぜひ皆さんで今後の動向を見守っていただきたい.

関連リンク:
[Open Solaris]
[Sun Solaris]
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